北海道富良野ホテル再生事業は、弊社グループがM&Aで事業譲り受け、冬季集客やインバウンド需要に強い施設へ再生した事例です。

■再生事業の経緯

2021年10月、仲介会社から北海道富良野のホテル経営を引き継いでほしいというオファーが届きました。コロナ禍で打撃を受けており、このままでは廃業の可能性が高いとのことでした。当初、譲受は難しいと考えましたが、現地の美しい自然や特徴的な温泉、空港からのアクセスの良さ、青い池等の周辺観光地に触れ、またホテルのスタッフに既に譲渡の話をしており引継ぎ先が1日でも早く見つかることを望んでいると知り 、事業承継を行う決意をしました。

■再生事業に取り組む意義

弊社としては、冬季の宿泊に強い新しいジャンルの宿泊施設を展開することで業態の幅を拡げたい、また成長が見込めるインバウンド需要に強い業態開発や集客手法を確立することにより、新たなビジネスチャンスをつかみたいという狙いがありました。

また観光マーケットの成長が見込める北海道で複数施設を展開、本施設を手始めにして本格参入したいとのビジョンがあります。

当地では食事に力を入れることで、北海道産の食材仕入ルートを独自開発、道内だけでなく関東や関西の施設にも食材を提供、相乗効果を発揮し、食に強い貸別荘業態として当社グループ全体のブランドイメージの構築につなげたいとの思いがありました。

■富良野のインバウンドマーケット

2018年富良野を訪れたインバウンド観光客は70万人泊。旭川空港には台湾との直行便があり、コロナ前は韓国からのチャーター便も就航していました。富良野宿泊客の70%はインバウンド観光客であり、1月はオーストラリア、2月は中国、3月は台湾と月毎にメインターゲットが変わる特徴があります。

■再生事業の方向性

インバウンド人気の富良野エリアですが、近隣にはハイクラスな宿泊施設が少なく、「スモールスノーリゾート」としてフレンチオーベルジュ、全室サウナ・客室温泉風呂付の富良野屈指のラグジュアリー施設として再生することとしました。

11室あった客室は7室に統合、集中的に投資を行うことでハイクラスな宿泊施設として周辺と差別化しました。食事は1階のレストランで提供します。

■事業再生計画

①テスト営業

事業引継ぎ後、そのままの状態で約半年間のテスト営業を実際に行い、施設の課題を洗い出しました。同時にデザイン検討や環境省や林野庁との事前協議を進めました。

②リノベーション計画

リノベーションデザインは札幌市の設計事務所に依頼しました。外観に大きな投資をせず、客室やレストラン、温泉施設のリノベーションに集中しました。部屋数を11から7へ減らすことで、限られた資金を集客に効果的な項目に集中投資しました。

また光熱費の高さが赤字の原因ともなっていたので、光熱費削減のための様々なアイデアをリノベーション計画へ取り込みました。一例をあげると、暖房費削減のため天井の高さを下げる等です。

③競合調査と価格設定

近隣ホテルの調査、北海道で人気の宿泊施設、特に海外富裕層に強い施設の調査を行い、販売価格の設定をしました。本計画では、オープン時2名2食付きのスタンダードルームで6~7.5万円の価格設定としています。

④集客施策

グループ企業のブッキングリゾートと連携、PR会社によるテレビ取材の獲得、京都の旅館で取引実績のある台湾の富裕層向け旅行代理店へ営業、香港へは自社でSNS広告を運用、海外OTAを複数採用等です。スキーやスノーアクティビティに関するウェブメディア(海外含む)への露出も行っています。

⑤組織体制

料理長1名、フロア担当(レストラン業務兼務)3名、アルバイト3名での運営を想定。事前テスト営業でも問題なく運営できていた事を確認済みです。

⑥経費管理

清掃は全て自社運営で賄う予定です。懸案の光熱費は設備改修や個別の客室温泉化、熱効率の改善により大幅削減が実現しました。

 

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